『ハタラケハタラケ』(文・サトウハチロウ/画・安泰)など、戦中・戦後の絵本をお取り引きいただきました。
買取品 | 戦中・戦後の絵本 |
---|---|
ご依頼地域 | 千葉県千葉市花見川区 |
買取方法 | 出張買取 |
※買い取り価格は当日の価格であり、その価格を保証するものではありませんので予め御了承下さい。
※状態や付属品の有無、買い取り方法などによって価格が変動いたします。
スタッフのコメント
こまいぬ堂のスタッフSです。
今回は千葉県千葉市花見川区のお客様より、貴重な児童向け絵本の買取ご依頼をいただきました。
今回のお取り引きでは
・『ハタラケハタラケ』(昭和19年2刷/文・サトウハチロウ/画・安泰/児童図書出版社)
をはじめとする、戦中・戦後期の絵本や雑誌を中心に、100冊ほどをお譲りいただきました。
お取り引きいただき、本当にありがとうございます。
『ハタラケハタラケ』は、童謡作家・詩人として著名なサトウハチローさんの作品です。
その優しい語り口や、愛らしい動物たちのイラストは、子どもたちを惹きつける魅力にあふれています。
けれども一方で、この作品には戦時中という時代の空気が色濃く反映されています。
動物たちは船を作ったり、防空壕を掘ったり、見張り番をしたりと、“国のために働く”ことの大切さを語りかけてきます。
それは、当時の子どもたちに「戦争協力」を自然なこととして教える意図があったのだと思われます。
このような作品を前にすると、読む私たちもまた、複雑な思いを抱かずにはいられません。
決してサトウハチローさんご本人の思想をそのまま反映したものではなく、そうしたテーマを描くこと自体が求められる時代だったのだろうと、しみじみ感じます。
作家や出版社にとっても、それ以外の表現が許されにくかった時代だったのでしょう。
しかし、そんな中でもサトウハチローさんの筆致には、どこか子どもへのまなざしの優しさが残っている気がします。
強制的に「こうしなさい」と語るのではなく、語りかけるように、励ますように描かれている――。
そこには、時代の制約のなかで子どもたちに寄り添おうとする想いが、微かに息づいているのかもしれません。
そのほかにも
・『ドウブツノトナリグミ』(昭和17年/長島和太郎・山根國正/大和書房)
・『ドウブツノホン 34才』(昭和18年/百田宗治・佐藤今朝治/鈴木仁成堂)
・『観察絵本 ミクニノコドモ 第16集第4編 5ツノタカラ』(昭和18年/日本保育館)
・『少年少女マンガ雑誌 まんがランド』(昭和23年/根岸榮子/森の子供社)
など、歴史的に価値のある資料を多数お譲りいただきました。
こうした絵本や雑誌は、当時の時代背景や社会の空気を物語る貴重な文化遺産でもあります。
一冊一冊を通して、当時の子どもたちが何を読み、何を信じ、どんな日々を過ごしていたのかを知ることができます。
この度は、貴重な蔵書をお譲りいただき、誠にありがとうございました。
またのご依頼を心よりお待ちしております。