古本用語の豆知識:「裸本(はだかぼん)」って何のこと?

こんにちは! 古本買取「こまいぬ堂」のスタッフSです。

普段、私たち古本屋が何気なく使っている言葉の中に、もしかしたら「これってどういう意味だろう?」と疑問に思うような古本用語があるかもしれませんね。
そこで今回は、そんな専門用語の中から一つ、「裸本(はだかぼん/らほん)」についてご紹介したいと思います。

「裸本(はだかぼん)」とは?

「裸本」と聞くと、ちょっとドキッとする方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください(笑)。
決してヌード写真集のことではありませんよ!

裸本とはその名の通り、「本来ついているはずのカバーや箱がない状態の本」のことを指します。

本屋さんで新しい本を買う時、たいてい素敵な表紙のカバーがかかっていますよね。
また、箱に入った立派な格式高い本もありますよね。
本来はそういった状態で出版された本であるにも関わらず、元々ついていたカバーや箱が失われてしまった状態の本が「裸本」と呼ばれます。

「えっ、じゃあ、ペーパーバックや和本のようなカバーがない本は全部裸本なの?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。

ペーパーバックのように、そもそも最初からカバーがついていない状態で出版されている本は「裸本」とは呼びません。
具体的には海外の安価な文庫本や、日本でもコンビニなどで売られている漫画の廉価版などが、このペーパーバックにあたります。

つまり裸本というのは、「本来あるべき姿ではない状態」を表す言葉なんです。

カバーや箱がなくなってしまっても、その本の内容が損なわれるわけではありませんが、購入されるお客様の多くはやっぱりカバーの付いた本来の状態であることを望みます。
そのため、市場価値としてはかなり低くなってしまいます。
本を買うかどうか検討しているお客様に、「カバーや箱が欠落している状態である」ときちんと伝えるために使われる、私たち古本屋にとっては大切な用語の一つなんですよ。

「映画化! 〇〇氏絶賛! と書かれているような帯がない場合も裸本?」

さて、ここまでお読みいただいたお客様の中には「いわゆる帯がない場合はどうなんだろう?」と疑問に思われた方もいるかもしれません。

帯は書店で販売する際の広告、チラシのような役割が主体なので、付いていなかったとしても裸本とは呼びません。
版や販売された時期によってはそもそも付いていないこともありますから、そういった慣例となっています。

もっとも最近は本のデザインの一部としての役割を担っている帯も多いですから、なるべくなら付いているほうが嬉しいという購入者心理はあると思います。
なかったとしてもマイナスにはならないけれど、あったらプラスになる……といったイメージでしょうか。

「こまいぬ堂」は古本の専門知識を持つお店です

今回の裸本のお話、いかがでしたでしょうか? 少しでも「へぇ!」と思っていただけることがあれば、私たちも嬉しいです。

「こまいぬ堂」では、このように古本に関する専門的な知識をもって、日々お客様の大切な本と向き合っています。お客様が知らなかったことや、もっと深く本のことを知るきっかけになれば幸いです。

これからも、様々な古本用語や本の豆知識をご紹介していく予定ですので、どうぞお楽しみに!


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